- ヤムサラダとは
- ヤムサラダの基本食材
- ヤムサラダの25種類紹介
この記事では上記のことを解説していきます。
皆さんはヤムサラダ(ヤム)とは聞いたことがあるけど、どんな料理か知っていますか?
ヤムサラダとはタイを代表するサラダ料理の一つです。
その中でも日本では、特にヤムウンセン(タイ風春雨サラダ)が一番有名でしょう。
しかし実は、タイのヤムサラダには、他にも多くの種類があります。
記事前半ではヤムサラダの基礎解説と作り方を紹介。
記事後半では、ヤムサラダの有名〜マイナーなものまで25種類紹介しています。
ヤムサラダに関してかなり網羅的にまとめた記事です。
- 興味本位でヤムサラダについて知りたいだけの方
- 家でもヤムサラダを作ってみたいというタイ料理ガチの方
ぜひ、参考にしてみてください。それではいきましょう!!!
ちなみに、タイ人同士ではヤムサラダとは言いません。日本人がわかりやすいようにしている言葉です。
この記事では以降【ヤム】と記載します。
タイ料理【ヤムサラダ(ヤム)】の基本解説
カタカナ表記 | ヤムサラダ・ヤム |
---|---|
タイ語 | ยำ |
辛さ | 辛い(唐辛子の量次第) |
クセ |
ヤムサラダ(ヤム)とは
- ヤム→混ぜる
ヤムとは本来「混ぜる」という意味です。
ただタイで料理を指す場合は【ヤムサラダ(ヤム)】という意味となります。
ヤムはタイを代表するサラダ料理の一つです。
酸っぱくて甘みのあるソース(ヤムダレ)に、メイン食材と玉ねぎなどの生野菜と唐辛子を和えて作ります。
- ヤムダレ→甘み+酸味
- 玉ねぎなどの生野菜→フレッシュさ+香り
- 唐辛子→辛さ
これら食材のバランスで作る料理となります。
基本のヤムソース(ヤムダレ)と基本的な野菜はどのヤムもほぼ同じです。
もちろん店によっての配合の比率だったり、それぞれの店の独自の工夫はあります。
ヤムはメインとなる食材によって、それぞれ名前が変わってきます。
数多くあるヤムの種類のうち日本でも有名なヤムは、例えば以下の通りとなります。
ヤムと混同しやすいのですが、タイでメジャーなサラダに【ソムタム】があります。
ソムタムは青パパイヤサラダですので、ヤムとは味付けの違う別の種類のタイサラダとなります。ソムタムはタム(叩く)をして作ります。
- ヤム=混ぜて作る。
- ソムタム=叩いて作る
と覚えておきましょう。
食材
さてここからは食材と調味料を細かくみていきましょう。
ヤムの作り方は意外と簡単です。
食材と調味料を揃えられれば「混ぜるだけ」で、家でも簡単に作れてしまいます。
文字通り「ヤム(混ぜる)」だけです。
- ホムヤイ→玉ねぎ
- クンチャーイ(パクチー代用可)→キンサイ
- マクアテート→トマト
- マナオ(ライム代用可)→タイライム
- ナムグラティアムドーン→ニンニクの漬物の汁
- プリック→唐辛子
ホムヤイ(玉ねぎ)とホムデーン(アカワケギ)
- ホムヤイ→玉ねぎ
- ホムデーン→アカワケギ
ホムデーン(アカワケギ)とホムヤイ(玉ねぎ)どちらを使用しても問題ありません。両方混ぜて使用するお店もあります。
日本ではヤムに使用する玉ねぎを【アカワケギの代用】としてしている店が多いです。
しかし実は、タイでも普通に玉ねぎを使用してヤムを作る店は多いです。
玉ねぎを使用したからといって、本格的ではないというのは間違いです。
タイの家庭でも玉ねぎを使用する場合もあるし、アカワケギを使用する時もあります。
理由は単純で、タイでも玉ねぎの方がアカワケギより安いからです。
クンチャーイ(キンサイ)
クンチャーイ→芹菜(キンサイ)
クンチャーイはキンサイ(芹菜)という野菜のことです。「タイセロリ」と呼ばれていたりします。
特に葉部分の見た目がセロリに似ていて、香りの強烈さとクセの強さからタイ人でも好き嫌いはかなり分かれます。
タイではパクチーとクンチャーイの両方使用したりもします。
日本では手に入りにくいので、タイ料理屋ではパクチーで代用する店が多いようです。
マナオ(タイライム)
- マナオ→タイライム
マナオは「タイライム」と呼ばれています。マナオは普通のライムとは違った、甘い独特の風味があります。
日本では輸入の観点から禁止されているようで、日本のタイ料理屋では「メキシカンライム」を代用している店が多いようです。ただ、冷凍のマナオ果汁は日本でもあります。
ただタイのお店でも、たまにお酢で作っていたりします。(たまにですよ。たまに。)
しかし、さすがにお酢だと、ほんのりした甘みと清涼感のある香りに欠け、少し味がトゲトゲしくなってしまいます。
ナムグラティアムドーン
- ナム(ナーム)→水
- グラティアム(ガティアム)→ニンニク
- ドーン→漬物
タイの市場では、ニンニクの漬物の汁だけでも売られています。
プリック(唐辛子)
- プリック→唐辛子
タイではヤムに生の唐辛子を使用します。通常、タイの店で注文した場合、3本から5本入っています。
辛いのが苦手な方は、必ず注意しましょう。
もしタイ食堂で注文する際には、唐辛子の本数を指定するのがオススメの注文方法です。
一応、タイ語も紹介しておきますね。
- マイ・サイ・プリック→唐辛子なし
- プリック・クン・メット→唐辛子0.5本
- プリック・ヌンメット→唐辛子1本
タイの辛い事情に関して、詳しくはこちら。
ヤムダレ(調味料)
- ナンプラー→タイの魚醤
- ナムターンピープ→パームシュガー
ナムターンピープとは「パームシュガー」のことを指します。コクのある深い甘みが特徴の砂糖です。
通常、日本の家庭にはないと思いますので、白砂糖や三温糖で代用可能です。
- ナンプラー→塩分
- パームシュガー(砂糖で代用可)→甘み
- マナオ(タイライム)(ライムで代用可)→酸味
- ナムグラティアムドーン(なくても可)→塩分・酸味
- 生唐辛子→辛味
自分好みのバランスを見つけて、ぜひ家庭で作ってみてください。
【ヤムサラダ(ヤム)】の種類
ヤムにはとても多くの種類があり、基本的にはメイン食材によって名前が変わります。
レシピや作り方は各詳細記事にあるので、リンクから飛んでみてください。(全部はないですが。)
1.ヤムウンセン(春雨のヤム)
- ウンセン→春雨
日本でヤムといえば、まずはやっぱりヤムウンセンですよね。日本でも【タイ風春雨サラダ】として、親しまれています。
定番中の定番、ド定番の日本でも人気のヤム。もちろんタイ人にも大人気のヤムです。
一応、ヤムウンセンにも種類があるので紹介しておきます。
- ヤムウンセンムーサップ→豚ひき肉
- ヤムウンセンタレー→シーフード
- ヤムウンセンムーヨー→ベトナム風ソーセージ
ヤムウンセンを日本で作る場合、緑豆春雨がオススメです。
コシがあって、千切れにくいことが理由になります。
2.ヤムカイダーオ(目玉焼きのヤム)
- カイ→玉子
- ダーオ→星
- カイダーオ→目玉焼き
ヤムカイダーオを日本語にすると【タイ風目玉焼きサラダ】といった感じです。
実は日本でも知る人ぞ知る人気のヤム。
カリカリに揚げ焼にした目玉焼きを、ザクザクっと切ってヤムダレと和えます。
目玉焼きがヤムダレをたっぷり吸ってくれます。噛んだ瞬間にジュワッと飛び出るヤムダレの味がたまりません。
3.ヤムコームーヤーン(焼き豚トロのヤム)
- コー→喉
- ムー→豚
- ヤーン→焼く
コームーヤーンを日本語にすると【タイ風焼き豚トロ】といった感じです。
そしてヤムコームーヤーンはコームーヤーンを和えたヤムのことを指します。
日本人にとって、ヤム界の食べやすさにおいてトップクラス。そしてついでに、脂身たっぷりで「ヤム濃厚部門」でもトップクラスです。
4.ヤムクンソット(生海老のヤム)
- クン→海老
- ソット→新鮮
- スック→火が通っている
生海老使用なので、タイの食堂で注文する際は必ず注意してください。
トロンと濃厚でとっても美味しいのですが、とにかくお気をつけください。
味付けは同じで、ヤムクンスック(茹で海老のヤム)もあります。
ちなみに同じ生海老を使用したタイサラダ料理で、クンチェーナンプラー(タイ風生海老刺身サラダ)という料理があるのですが、そちらもオススメ。
5.ヤムプーマー(渡り蟹のヤム)
- プー→蟹
- プーマー→渡り蟹
生の渡り蟹ですので、食べる際はお気をつけください。
非常に美味しいのですが、殻が硬く食べにくいのが難点となります。
ただ、新鮮な渡り蟹を使用した店のヤムプーマーはホントに美味しいです。
6.ヤムホイクレーン(タイの赤貝ヤム)
- ホイ→貝
- ホイクレーン→タイの赤貝
ホイクレーンというタイのサルボウ貝を使用したヤムとなります。
半ナマ(半茹で)なので、食べる際はご注意ください。
ホイクレーンは食べ過ぎると、お腹を壊してしまうことが多いので十分にお気をつけください。
ちなみにホイクレーンだけで味わうホイクレーンルアック(サルボウ貝の半茹で刺身)という料理もあります。
7.ヤムホイナーンロム(牡蠣のヤム)
- ホイナーンロム→牡蠣
ヤムホイーナーンロムは、牡蠣入りのヤムのことです。
タイの牡蠣は小ぶりとなります。生か軽く茹でた半ナマでヤムにします。
こちらも食べる際は必ず注意しましょう。もしタイで食べる際は、清潔なお店を選ぶことが大切です。
シーフード料理における、生ものの注意点の詳細はこちら。
8.ヤムプラームック(イカのヤム)
- プラームック→烏賊(イカ)
ヤムプラームックは烏賊を合わせたヤムとなります。
烏賊に火入れする時の茹で汁(烏賊出汁)も使用するので、ヤムダレは烏賊味です。
9.ヤムカイイヤオマー(ピータンのヤム)
- カイイヤオマー(カイイヤウマー)→ピータン
カイイヤオマーはピータンのことです。
そしてヤムカイイヤオマーは、ピータンのヤムとなります。ピータン好きにはたまらない一品。
ところで、カイイヤオマーを直訳すると「馬のションベン卵」という意味です。たまにある「謎の料理名」の一つとなります。
10.ヤムカイケム(アヒルの塩漬け玉子のヤム)
- カイケム→アヒルの塩漬け玉子
- カイデーン→玉子の黄身
- カイカーオ→玉子の白身
ヤムカイケムはカイケムを合わせたヤムとなります。
カイケムを日本語にすると【アヒルの塩漬け玉子】といった感じです。
塩漬け卵は鶏卵でもできるようなのですが、アヒルの卵の方が殻が厚いためカイケムを作りやすくなります。
ヤムカイケムの黄身のザラザラ食感と独特の風味が美味しいです。
白身は非常に塩っぱいので、黄身だけ使用するお店もあります。
11.ヤムママー(ママー麺のヤム)
- セン→麺
- ママー→タイのインスタントラーメン
ヤムママーを日本語にすると【インスタント麺ヤムサラダ】といった感じです。
ヤムウンセン同様に、ヤムママーもメイン具材がいくつかあります。
- ヤムママームーサップ→豚挽肉
- ヤムママータレー→シーフード
- ヤムママームーヨー→ベトナム風ソーセージ
とても美味しいのですが、すする時にムセやすいのが欠点。
その他
これまで紹介してきたヤムサラダ以外にも多くのヤムサラダが存在します。
その他ヤムをザッと紹介しておきます。(これ以外にもまだまだあります。)
番外編:ヤムネーム(発酵豚肉ソーセージ)
- ネーム→タイ風発酵豚肉ソーセージ
- クルック→混ぜる
ネームを日本語にすると【タイ風発酵豚肉ソーセージ】といった感じです。
そしてヤムネームとは【ネームを使用した混ぜご飯】。「ネームクルック」とも言われます。(クルック=混ぜる)
そう。サラダというよりはご飯です。
あえていうなら、ヤムサラダではなく「ヤムご飯」といったところでしょうか。
もう「ネームクルック」で統一すればいいのに、ヤムネームと呼ぶタイ人もいるからややこしくなるんです。とはいえ本当に美味しいから憎めない。
ライスボールを崩し、ナンムー(豚の皮)と和えて作る特殊なヤム料理となります。
屋台でライスボールが見えたら、それはヤムネーム屋台かもしれません。
オススメなので、見つけたらぜひ挑戦してみてください。(ヤムサラダではないですが。)
トッピング
タイのヤム屋(サラダ屋さん)さんではトッピングができ、様々なトッピングの種類があります。
できるトッピングはお店によって違いますので、どんなトッピングができるのか尋ねてみましょう。
自分好みのトッピングや組み合わせを探すのも楽しいです。
タイ料理【ヤムサラダ(ヤム)】のまとめ
ヤムは気軽に作れる人気のタイのサラダです。
少しクセがありますが、日本人にもファンが多いです。
とても奥深い料理ですが、作るとなると以外と簡単な料理となります。
ヤムダレ、基本野菜をそのままで、メインの具材を変えるだけで、それはもうヤムです。
【日本のタイ料理屋】で【日本の食材】で【日本人が食べる】のですから今後、日本版ヤムが出てきてもおかしくないですよね。(ナポリタン的なヤム)
これからの日本におけるヤムの発展が楽しみで仕方ありません。