- カオソーイとは
- カオソーイ関連料理
- ミャンマーカオソーイ紹介
この記事では上記のことを解説していきます。
カオソーイは日本語にすると【タイ式スパイスラーメン】となります。
ココナッツミルクとスパイス、ハーブを使用したタイ北部カレーラーメンといった感じです。
揚げ麺がトッピングされていて、味変ありきの料理となります。
カオソーイは、タイ北部を代表する料理と言っても過言ではありません。
日本人にとってトップクラスに食べやすく、親しみやすいタイ料理となります。
タイでカオソーイの食べ歩きをしている日本人もいるくらいです。
在住の日本人の方に、行きつけのカオソーイ屋さんがあるという方も少なくないはず。
そんな人気のカオソーイですが、なぜか日本ではまだあまり知られていない料理の一つです。
実は、ミャンマーからタイに伝わった料理で、ミャンマー版カオソーイもあったりします。
記事前半ではカオソーイの基本解説。
後半ではカオソーイ関連料理を紹介していきます。
カオソーイがどんな料理なのかを知れば、もっと美味しく、さらに楽しく食べられるはずです。
ぜひ参考にしてみてください。それではいきましょう!!!
と、その前に僕自身がカオソーイ専門店を沖縄でやっています。
興味のある方はこちら↓
タイ料理【カオソーイ】タイ式スパイスラーメンの基本解説
カタカナ表記 | カオソーイ・カオソイ |
---|---|
タイ語 | ข้าวซอย |
辛さ | |
クセ |
カオソーイとは
- カオ(カーオ)→ご飯
- ソーイ→細切り
- カオソーイ→料理名
カオソーイを日本語にすると【タイ式スパイスラーメン】といった感じです。
日本語では、他にもたくさんの呼び方がありますので、いくつか紹介しておきます。
- 揚げ麺のせカレーラーメン
- タイ北部カレーラーメン
- タイ風カレーラーメン
みたいな感じです。
揚げ麺が乗り、日本にはないタイプの麺料理なので色んな呼び方がされています。
カオソーイは、タイ北部の郷土料理となります。(チェンマイやチェンライが有名ですね)
日本人にとって、とても食べやすく人気のタイ料理の一つ。
個人的には最も日本人向に向いているタイ料理なのではないかと思っているくらいです。
ただし少し辛いので、辛いのが苦手な方は注意が必要。
カオソーイの特徴を簡単に挙げるとすると、
- スパイスの効いたスープ
- ココナッツミルクベースのスープ
- ゆで麺と揚げ麺の両方が入っている。(小麦麺)
- お好みトッピングや味変が楽しめる料理
といった感じです。
ちなみに、カオソーイはミャンマー・ラオス由来料理となります。上記のカオソーイの特徴がミャンマーのカオソーイにもあるということです。
ただし、ラオスのカオソーイに揚げ麺は基本的に乗っていません。そしてミャンマー、ラオスのカオソーイ共に米粉麺となります。(タイのカオソーイは小麦麺)
さて、カオソーイはタイ北部料理と説明しましたが、最近ではバンコク(首都)でも食べることができます。
カオソーイは以下のような所で食べることができます。
- 屋台
- タイ北部料理専門店
- カオソーイ専門店
- タイ料理レストラン
カオソーイ各部分の詳細
ここからはカオソーイを細分化して各部分の詳細を解説していきます。
- スープ
- 麺
- トッピング具材
- 別皿トッピング具材(味変用具材)
スープ
- ガティ→ココナッツミルク
- ホアガティ→濃いココナッツミルク
- ハーンガティ→薄いココナッツミルク
- プリックゲーン〜→〜の素
カオソーイは、スパイスの効いたココナッツミルクベースのスープです。
カオソーイのスープは以下の食材を合わせて作ります。
- ナム(ナーム)→水
- ハーンガティ→薄いココナッツミルク(下部にたまる)
- ホアガティ→濃いココナッツミルク(上部にたまる)
- プリックゲーンカオソーイ→カオソーイペースト
水とココナッツミルクの比率が高ければ、スープは濃厚になっていきます。水を使用せず、ココナッツミルクだけで作ることも可能です。
そして、濃いココナッツミルクと薄いココナッツミルクの比率でもスープの濃度を変えることができます。
店によってスープの濃度が違うのはもちろんですが、実はスープの量も違ってきます。
僕の感覚ですが、濃ければ濃いほどスープは少なくなる傾向にあると思います。(理由はコスト(原材料)の話になってくるので割愛。)
さらにカオソーイペースト(プリックゲーンカオソーイ)で、スパイス感が決まってきます。そして、カオソーイペーストは店によって、スパイスの配合や使用するハーブは異なります。
カオソーイペーストに使用するスパイス、ハーブは例えば以下の通りです。
- プリックヘーン→乾燥唐辛子
- グラティアム→ニンニク
- ホムデーン→アカワケギ
- ルークグラワーン→カルダモン(ブラウンカルダモンの場合もあり)
- カー→ナンキョウ(タイ生姜)
- タクライ→レモングラス
- メットパクチー→コリアンダーシード
- ポイカック→八角(スターアニス)
- ピウマックルー→コブミカンの皮
- カミン→ウコン(クミンではなく、ウコンです)
- カピ→海老の発酵調味料
- トゥアナオ→タイの乾燥納豆
- グルア→塩
- ポンカリー→カレー粉
たくさんありますね。まぁ正直、全く覚える必要ないので気にしないでください。
上記の食材の中から店独自でカオソーイペーストを作っていきます。
とはいえ最近では、タイでも市販のカオソーイペーストで作られることが多いです。
麺
- バミー麺→小麦麺
カオソーイの麺は、基本的に平打ちのバミー麺(小麦麺)を使用します。
一般的にカオソーイに使用するバミー麺(小麦麺)は、卵平打ち麺と言われています。しかし、実は必ずしも卵麺である必要はありません。しかも黄色くするために着色料を使用したバミー麺もたくさんあります。
ただし、卵麺ではなくとも平打ち麺の店が多い印象。(ややこしくてすいません。)
タイでも、ただの小麦麺を使用しているカオソーイは、たくさんあるということです。
タイでのカオソーイは麺、スープ共に日本のラーメンよりも少ないです。大体、普通サイズで麺70〜90gくらいかと思います。
ですので、男性でしたらピセー(大盛り)がオススメですね。さらに、お店によっては替え玉的なものもあったりもします。
- パーム→追加
- セン→麺
- パーム・セン・カオソーイ→カオソーイの麺を追加
もちろん替え玉に対応してない店もありますので、店ごとのメニューでご確認ください。
少し難しくなってきましたので、まとめておきますね。
- バミー麺(小麦麺)である。
- 必ずしも玉子麺である必要はない。
- 平打ち麺であることが多い。
- 替え玉ができる店がある。
トッピング具材
カオソーイには、鶏肉や牛肉などのメイン食材と揚げ麺が具材としてトッピングされます。
- メイン食材(肉類)
- 揚げ麺
- パクチー
パクチーは通常、風味付け程度の量です。
そしてカオソーイは、メインとなる食材によって名前が変わってきます。
- カオソーイガイ→鶏肉
- カオソーイヌア→牛肉カオソーイ
- カオソーイムー→豚肉カオソーイ
- カオソーイタレー→シーフード
- カオソーイロブスター→ロブスター(珍しい)
- カオソーイサイウア→チェンマイソーセージ(珍しい)
この中では鶏肉のカオソーイが一番ポピュラーです。
鶏肉の部位はどこでもでもいいのですが、基本的には以下の部位になります。
- オックガイ→鶏胸肉
- ノンガイ→鶏もも肉(足側)いわゆる「チキンドラム」
- サポークガイ→鶏もも肉(お尻側)いわゆる「チキンタイツ」
- ピックボンガイ→手羽元
別皿トッピング具材
- クルアンキアンカオソーイ→カオソーイの味変用食材
カオソーイには別皿トッピングが一緒に提供されます。
店によって様々ですが、一般的な食材は以下の通りです。
- ホムデーン→アカワケギ
- マナオ→タイライム
- パッカードーン→野菜の漬物
- プリックパットナンマン→刻み唐辛子を油で炒めたもの
- グラティアムスライ(ス)→ニンニクスライス
- ナムプリックパオ→チリインオイル
- キンソーイ→細切り生姜
- ケップムー
上記の中から店によって2〜3種の食材が別皿で提供されることが多いです。
一方、屋台でのカオソーイ屋は、お好み各自で別皿に入れる店もあります。つまりセルフサービスということですね。
さて、カオソーイの特徴をまとめると以下のようになります。
- タイ北部料理
- 平打ちの小麦麺(バミー麺)
- ココナッツミルクベースのスープ
- 揚げ麺が乗っている
- 味変用の別皿トッピングあり
カオソーイ関連料理
ここからはカオソーイ関連料理を紹介していきます。
カオソーイヘーン
- ヘーン→汁なし・乾いた
カオソーイヘーンを日本語にすると【汁なしカオソーイ】といった感じです。「タイ式スパイスカレー混ぜそば」とも言えますね。
まだまだタイでも珍しいので、もし見つけた際は試してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、タイには他にも汁なし料理がありますので、以下の紹介しておきます。
ガオラオカオソーイ
- ガオラオ→麺なし・ご飯なし(具材だけという意味)
ガオラオとは、クイッティアオ(タイラーメン)やカオトム(タイ風サラサラお粥)の麺なし、またはご飯なしのスープ料理のことです。
つまりカオソーイにも勿論ガオラオは存在します。
ただしカオソーイの場合、茹で麺だけでなく、トッピング具材の揚げ麺もなしになります。
北部出身のタイ人に聞いたところ、ガオラオカオソーイには、もやしが基本的に追加され、その他具材は自由とのことです。
ちなみに写真はカオソーイ屋(沖縄)の期間限定メニューのガオラオカオソーイとなります。
カノムチンナムギョウ
タイ語 | ขนมจีนน้ำเงี้ยว |
---|---|
辛さ | |
パクチー | あり |
- カノム→お菓子
- チーン→中国
- ナム→水
- ギョウ(チェンマイ方言)→木綿(キワタ)※モメンではない
- ギョウ(チェンマイ方言)=ンギウ(タイ語)
- ドークギョウ→キワタの花
カノムチーンを日本語にすると【タイ風そうめん】といった感じです。
そしてカノムチーンナムギョウは【豚肉とトマトのカノムチーン】となります。
カノムチーンナムギョウもまたタイ北部の麺料理です。※カノムチーン自体はタイ北部関係なく、タイ全土にあります。
「カノムチーンナムギョウ」と「カオソーイ」は、タイ北部の2大麺料理です。(と呼ばれています)
ドークギョウ(キワタの花)を乾燥させたもの(漢方?)を必ず使用します。
タイカレーペーストも使用するので、タイ北部カレー麺という意味ではカオソーイと同じです。
ただ、カノムチンナムギョウは、トマトが強めのスープで具材に豚肉を使用します。
基本的には辛いので、辛いのが苦手な方は注意しましょう。
食べ方が日本のつけ麺とは逆で、スープを麺にかけて食べます。
とはいえ最初からスープに麺が入った状態で提供する店も多いので、結局どちらでもいいのかもしれませんが。
ちなみにカノムチーンを直訳すると「中国のお菓子」となります。しかし元々は、ミャンマーのモン語が語源となります。
- カノム→固まっている状態(ミャンマー語)
- チン→煮えている状態(ミャンマー語)
ミャンマーのカオソーイ【カウスェー】
カオソーイの由来は、中国の雲南省を始点とし、ラオスやミャンマーを経てタイ北部に伝わったとされています。
ラオスとミャンマーのカオソーイは米粉麺ですが、タイのカオソーイは基本的に小麦麺となります。
- タイのカオソーイ→小麦麺
- ラオス・ミャンマーのカオソーイ→ライスヌードル(米粉麺)
ここからはミャンマーのカオソーイを少しだけ紹介していきます。
ミャンマー料理は専門でないのですが、ミャンマー人と話して得た情報を元に記事を書いています。(お手柔らかに)
オン・ノー・カウスェー
- オン(ミャンマー語)→ココナッツ
- ノー(ミャンマー語)→乳製品
- カウスェー(ミャンマー語)→米粉麺(乾麺)
カウスェーとは、ミャンマー語で「米粉麺」を指します。
専門家ではないので断定はできませんが、個人的に「カウスェー」がタイ北部に伝わり「カオソーイ」と変化したのではないかと予想しています。(なんとなく似てませんか?)
ミャンマーのカウスェーは土地によって様々です。
「オン・ノー」で「ココナッツの乳製品」なので、「ココナッツミルク」を指します。
つまり「オン・ノー・カウスェー」を直訳すると【ココナッツミルク米粉麺】という意味です。
ただしカオソーイが料理名に対して、ミャンマーにおけるカウスェーとは、単に「米粉麺」を意味します。
揚げ麺も必ずしも「麺」である必要はなく、スナック菓子のようなものが入っています。少しづつ違うのですが、タイのカオソーイと根本は同じだったんだろうな勝手に想像しています。
オン・ノー・カウスェーの具材の例は以下の通りです。
- 豆せんべい(ひよこ豆)←この食感がいいアクセント
- 茹で玉子
- アカワケギ
- 揚げたスナック菓子のようなもの
シャン・カウスェー
- シャン(ミャンマー語)→ミャンマーのシャン州
シャン州のカウスェーは少し特殊で、米粉麺の【生麺】を使用します。
太さは全然違いますが、タイで生麺というとセンヤイ(幅広米粉麺)ですね。
そしてシャンカオスェーは「汁なし麺」であることも大きな特徴となります。
タイのカオソーイのように揚げ麺は乗っていません。
程よく油の入ったタレと独特な生米粉麺を合わせたネッチョリ食感まぜそばです。
カオソーイのへ個人的な意見(3つだけ)
ここからはコアな話になるので、気になる方だけ読んでみてください。
カオソーイは日本人にとても馴染みやすく、食べやすい麺料理と解説してきましたね。
しかし、タイでカオソーイを食べる際の【日本人目線での欠点】も一応あります。
いくつか例えを挙げておきますね。(個人的な意見です。)
- 麺の柔らかい店が多い。
- 熱々スープで提供する店が少ない。
- 文化的に麺を啜って食べにくい。
上記の全ては日本とタイの食文化の違いからくるものです。
一応、ある程度理解しておいた方がいいでしょう。念のため、簡単に理由を解説しておきます。
麺が柔らかい
タイにおけるカオソーイは、麺が柔らかい店が多いです。
タイ人が麺の固さをあまり気にしないため。
日本において麺料理は「ノビる=美味しくない」ですよね。
この考え方は、グルテンを形成しない蕎麦粉(ノビやすい)を使用した蕎麦(そば切り)文化の影響でしょう。(性質上、蕎麦はノビやすいので、固めに麺を茹であげないといけなかったという事です。)
日本だと麺は何がなんでも「固めでないと美味しくない」という方もいるくらい。
本来「柔らかい=ノビている」ではないのですが、日本において、そう思っている人も多い気がします。
- タイ人:麺の固さは気にしない。
- 日本人:麺の固さは大事、固め好きが多い(蕎麦文化が発達したため)
ちなみに個人的にはやや固めくらいが好きです。
スープが熱くない
タイにおけるカオソーイは、スープ熱々の店が少ないです。
皆さんご存知の通り、タイは年中暑い国。そもそもタイ人が熱々の麺料理というのに魅力を感じていないためでしょう。そして、タイの方々は冷たいものにはとても敏感です。
しかし逆に、出来立ての料理を熱々で提供することに対しては、かなり無頓着だったりします。
日本には四季があるため、そうはならないですよね。
- 日本:熱い料理は熱々。冷たい料理は冷え冷え。=美味しい
- タイ:冷たい料理には敏感
ただこの感覚の違いは気候がそうさせているのか、面倒くさがりなタイの性格でこうなっているかは正直わかりません。(元ラーメン屋目線での個人的なただの仮説です。)
麺を啜って食べにくい
タイで「麺を啜って食べる」ことはマナー違反とされています。(というか世界的に見てそうですが。)
そのためタイでは、周りの目もあり啜って食べにくいということがあります。
もちろんタイ人でも啜って食べる方はいます。(ただ女性では見たことないかな)
日本特有の文化みたいな部分もありますし、あまり気にしない方はそれでもいいかもしれません。
ちなみにカオソーイを啜って服に付いた場合、汚れを落としにくいので注意。
日本人に人気のカオソーイとは
さて、タイで食べるカオソーイの欠点を解説してきましたが、その逆は日本人に人気のあるカオソーイ屋と言うことです。
バンコクで日本人に人気のカオソーイ屋を巡ったことがあるのですが、その特徴は以下の通りです。
- 提供時に麺がノビていない。
- 熱いまま提供してくれる。
- タイ人の間でも有名な店。
- 日本人のインフルエンサーが発信してくれた。
カオソーイの味そのものはもちろん大事です。ただ、上記のような理由があると、さらに日本人に人気のカオソーイ屋になるのかもしれませんね。
タイ料理【カオソーイ】揚げ麺乗せスパイスヌードルのまとめ
カオソーイとは【タイ式スパイスラーメン】といった感じです。
日本人にとても人気のあるタイの麺料理の一つとなります。
ただ辛いので、辛いのが苦手な方は注意しましょう。
これだけたくさんの事を書いてきましたが、記事で触れた事以外の点にこだわっている方も絶対にいると思います。
カオソーイには、それだけコアなファンが多く、奥深い料理なので議論は尽きないでしょう。
沖縄【カオソーイ屋】カオソーイ専門店
最後になりましたが、
沖縄でカオソーイ専門店【カオソーイ屋】をシェアキッチンでやっています。
- 場所→【琉球タイムス】モノレール安里駅から徒歩5分。
- 営業日→火曜〜土曜
- 時間→11:30〜14:00
- 住所→沖縄県那覇市安里388-134 伊波ビル
- インスタグラム→https://www.instagram.com/kaosoiya/
- Googleマップ→https://goo.gl/maps/1r1MGPf1pQ9V2Nhs5
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